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2005年11月24日 仏教NGOネットワーク 第6回研修セミナー

本会も加盟するBNN(仏教NGOネットワーク)の第6回研修セミナーが11月24日、東京・渋谷区の妙智會教団で行われました。『紛争のメカニズムと仏教者のできることを考える』のテーマのもと、加盟団体などから約30人が参加しました。

今回のセミナーでは、バングラデシュの仏教僧侶で、教育NGO(非政府機関)パルパッチャ・ブッダ・ミッション(丘陵仏教奉仕会)代表のスマナランカ大僧正を迎え、バングラデシュ・チッタゴン丘陵地帯問題について理解を深めました。この地帯では、先住民であるジュマの人々が、補償も得られないまま移住を余儀なくされ、政府によるベンガル人入植政策などによって土地を失っています。
第1部では、平和学習ワークショップ「紛争のメカニズムを学ぶ」が行われました。参加者は4グループに分かれ、芝居形式で「ジュマの人々」「ベンガル人入植者」などの立場を演じることで、当事者の感情などを考察。混乱の原因や問題解決の方法について話し合いました。
第2部では、『日本の仏教者に何ができるのか』と題し、スマナランカ大僧正が講演しました。自身もチッタゴン丘陵で生まれ育ったスマナランカ大僧正は、ジュマの人々が、土地の略奪や、仏教寺院の破壊によって甚大な被害を受けている現状を詳しく説明。また、2003年にジュマの人々の家400軒がベンガル人入植者によって襲撃され、死者を出した「マハルチャリ襲撃事件」に触れ、「このようなことは、各地で頻発している」と事態の深刻さを訴えました。その上で「ジュマの人たちが平和に暮らせるよう、また和平協定が完全に早期実現するように、皆さんが声を上げ続けることを期待しています」と語りました。

(2005.12.02記載)