今年度の「アフリカへ毛布をおくる運動」(主催・同運動推進委員会)が4月1日から5月31日まで全国で実施されます。同運動は今年で22年目を迎え、これまで20カ国以上の国々に349万枚以上の毛布が届けられてきました。今年もポスター、チラシを通したPR活動や戸別訪問での収集活動が展開されます。
「実施要綱」
【国内毛布収集キャンペーン】
4月1日(土)~5月31日(水)
【倉庫受付期間】
4月1日(土)~6月7日(水)※7日倉庫必着
【テーマ】
『皆ひとつの大いなるいのちの中に生かされている。だからこそ、心をつなぎ合い、認め合い、互いに支え合ってゆこう』
自他のいのちの尊厳性、一体性を深く学び、自らの心田を耕す運動と位置づけ、取り組んでいく
【目的】
「アフリカへ毛布をおくる運動推進委員会」の構成団体として、アフリカの人々への支援を継続すると同時に、広く市民に呼びかけ、菩薩行実践を共にさせて頂くことによって、「同悲」「同苦」「分かち合い」の精神を培う
【毛布の規定】
毛布の大きさに大小があると不平等になるため、大きさをそろえておくります。そのため下記の通りご協力をお願いいたします
(1)大きさについて=広く家庭で使用されているサイズはシングルサイズ(140センチ×200~210センチ)です。シングルサイズ以下のもの(子供用)はご遠慮ください
(2)種類について=綿毛布は普通の毛布よりも材質が薄いためお断りしています
(3)ご提供頂くにあたってのお願い=使用した毛布は、必ずクリーニングに出すか洗濯してからご提供ください(毛布を船で輸送する際、船中で虫が発生する可能性があります)/新品の毛布は洗濯の必要はありません/毛布以外のもの(古着、夏がけ、シーツ、タオルケットなど)、破れた毛布、穴のあいた毛布、古く汚れた毛布は受け付けできません
【海外輸送費協力のお願い】
毛布を提供して頂く際、日本の港からアフリカへ毛布を船送して現地の人々に届くまでの海外輸送費として、毛布1枚につき900円を協力して頂くよう、呼びかけをお願いします。また、協力頂ける場合、毛布提供者に直接郵便局で振り込んで頂くようお願いします。
※本会会員が毛布を提供する場合は、すでに一食平和基金を通して海外輸送費に協力頂いておりますので、改めて協力を呼びかけておりません。
振込先=郵便局口座「アフリカへ毛布をおくる運動事務局」00110―6―351756
協力金受付締め切り=8月31日(木)
※年間を通して受け付けておりますが、集計をする関係上、この時期をめどにお振込みください
【毛布送付先】
「日通 大黒毛布係」 〒230―0054 神奈川県横浜市鶴見区大黒埠頭15番地 日本通運(株) 大黒国際貨物センター TEL045(503)2222 ※土日祝日は閉鎖
【毛布輸送計画】
9~10月に現地の港に到着し、アフリカでの内陸輸送後、11月ころから配布を開始する予定です。
【配布対象地域(予定)】
エチオピア、エリトリア、ウガンダ、マラウィなど
【配布方法】
本運動参加団体の現地事務所ならびに国連機関や現地のNGO(非政府機関)を通じて配布します。また、毛布を直接手渡すために、日本からボランティアが現地を訪問する予定です。
【2006年アフリカへ毛布をおくる運動推進委員会組織】
構成団体=アフリカ協会、AMDA、JHP・学校をつくる会、日本国際ボランティアセンター(JVC)、立正佼成会(五十音順)
後援団体=外務省、国際連合広報センター(UNIC)、WFP(国連世界食糧計画)日本事務所、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)駐日事務所、NPO法人明るい社会づくり運動
協力団体=日本通運株式会社
【問い合わせ先】
「アフリカへ毛布をおくる運動推進委員会事務局」TEL03(3381)1138
【ホームページアドレス】
http://www.mofu.org
アフ毛 Q&A
「アフリカへ毛布をおくる運動」に関して会員や市民から寄せられた質問に対する同運動推進委員会からの回答を紹介します。
Q.運動スタートから22年が経ちましたが、まだ毛布は必要なのですか
A.外務省によると、世界の重債務貧困国の約81%、難民の約32%を、サブサハラ・アフリカ(サハラ砂漠以南の47カ国)が占めています。エイズなども深刻化し、加えて、たび重なる干ばつや洪水などの自然災害、紛争などによって、貧困に苦しむ人が依然として多い中で、毛布のニーズはまだまだ高いといえます。
医療品などのニーズも高いのですが、仮に支援したとしても、現地に専門家がいなければ適切に使用されない可能性もあります。毛布ならば、現地でのニーズも高く、軽いので遠隔地である日本の市民が協力しやすい、という長所があります。
Q.日本からおくられた毛布はどのように役立てられているのですか?
A.1984年の運動スタート以来、約349万枚がアフリカの20カ国以上の人々に届けられました。配布対象者は、貧困層の高齢者、孤児、妊婦、身体障害者、病人、エイズ患者、ストリートチルドレン、紛争による国内避難民、自然災害避難民など多岐にわたります。
朝晩の冷え込みが厳しい気候下で、毛布は、家族が暖をとり、体調を管理する必需品です。紛争や災害によって家や家財を失った被災者は、「毛布は安心感を与えてくれる」といいます。毛布で体を覆って眠ることで、マラリア蚊などの虫から身を守ることができるという利点もあります。毛布によって、児童の呼吸器感染症が減少し、発育状況が改善されているという報告も届いています。
Q.毛布を日本からおくる意味は?
A.その理由は「アフリカへ毛布をおくる運動」という名前がそのまま表しています。「おくる」という言葉をひらがな表記にしているのは、毛布を「送る」こと、そして日本にいる私たちの心を「贈る」という二つの意味が込められているからです。
単に物資を支援するのではなく、アフリカで苦しむ人々のため、自分の使っていた毛布や、集めた毛布に心を込めることは、この運動の大事な目的の一つです。一食を捧げる運動の基本精神は「同悲」「祈り」「布施」ですが、この具体的な実践として「アフリカへ毛布をおくる運動」にも取り組んで頂きたいと願っています。
Q.「緊急用備蓄毛布」について教えてください。
A.推進委員会では、アフリカで配布される毛布以外に、緊急事態への人道的対応の目的から「緊急用備蓄毛布」を保管しています。原則として、その年のキャンペーンで収集された毛布と、前年度緊急用備蓄分の繰越分を合わせた総数の約1割を備蓄分として保管。世界で紛争や災害などの緊急事態が起きた場合に、構成団体で審議し、毛布の支援が決定されます。過去には、紛争や空爆の被害に対する緊急支援として、コソボ、セルビア、アフガニスタン、パキスタン、ヨルダンの難民・国内避難民に対して約7万枚の毛布がおくられました。
最近では、昨年秋に発生したパキスタン地震に際して、本会とつながりの深い特定非営利活動法人「ジェン」に5000枚、本運動の構成団体である特定非営利活動法人「AMDA」に2000枚が委託され、被災地で配布されています。
「ジェン」は2月20日、すでに配布を終了。「AMDA」は2月5日、同国の首都・イスラマバードの北北西約100キロに位置するブラルコートなどで未亡人や孤児、障害者などに優先して手渡しました。
朝晩の冷え込みが厳しいため、今なおテントで避難生活を送る被災者にとって、毛布など防寒具のニーズは依然として高いものです。「AMDA」の報告によると、「日本からの支援が届き、私たちの村も忘れられていないと感じた」と安堵する被災者もいます。
(2006.03.10記載)