「第32回IARF(国際自由宗教連盟)世界大会」が3月26日、台湾高雄県の仏教僧院「佛光山」で開幕しました。今大会には北米、アジア、ヨーロッパなど世界19カ国から340人の宗教者らが集結。本会からは、IARF財務委員長、国際評議員を務める山野井克典理事長はじめ、教区代表85人が参加します。30日までの期間中、参加者は『多様性における尊厳』のテーマのもと、プログラムを通して草の根レベルの宗教間対話、交流に臨みます。
今大会の会場である「佛光山」は、台湾最大の仏教僧院。『文化によって仏法を弘め、教育によって人材を育成し、慈善によって社会に奉仕し、修行によって人心を浄化する』の理念に基づき、社会のための仏教を目指しています。大会参加者は期間中、佛光山の施設に宿泊し、僧院の生活を体験しながら5日間のプログラムに臨みます。
3月26日午後、「如来殿」で行われた開会式の冒頭、エレン・キャンベルIARF会長は、同僧院の協力に感謝の意を表しました。また、世界大会が32回を数えることに触れ、「古い友人と再会し、新しい仲間とめぐりあう中で、お互いの結びつきを強め、霊性を高めていきましょう」と参加者に呼びかけました。
このあと高雄県知事の揚秋興氏が歓迎のあいさつを述べ、高雄県に初めて世界の宗教者が集うことを歓迎し、大会に期待を寄せました。続いて地元宗教者を代表してパウロ・シャン枢機卿がスピーチし、今大会のテーマ『多様性における尊厳』に触れながら、「宗教には多様性があり、そこには"共通の可能性"という価値があります。その価値が私たちの宝物であり、私たちを結びつけています」と語り、宗教者が互いの宗教に敬意を払い、平和という共通の願いに基づいて人権問題や暴力に立ち向かうことの大切さを語りました。
引き続き、仏教、ヒンズー教、イスラーム、神道、ユニテリアン(自由キリスト者)の代表者が壇上でそれぞれ祈りを捧げました。山野井理事長は仏教を代表して「道場観」を読誦しました。
また、「佛光山」の創設者、星雲大師が歓迎のスピーチ。「それぞれの宗教には教主があり、教義があり、信者は世界の人々に尽くすという信念を持っています」と述べた上で「教主、教義が異なっていても、私たちは互いに存在し合い、宗教のもとに努力するという点では同じです。IARFが成り立つのもこれによるのだと思います」と語りました。
第2部では、まず「佛光山」とつながりの深い普門中学校のウインドオーケストラが演奏を披露。続いて、今大会に先立ち行われたIARF青年プログラムに参加する28人が、『混沌とした人生と私たちの霊性の喪失というものがいかに大きな犠牲を強いるか』をテーマにパフォーマンスを行いました。このあと2001年から2005年までに実施された宗教青年によるプログラムを紹介。インド・グジャラート州で地震発生後、被害に遭ったヒンズー教の寺院を修復したこと、日米両国の青年が互いの国を訪問し、第二次大戦の悲惨さを知った上で、理解を深め合ったことなどを発表しました。
最後に台湾の先住民族による「祖韻文化楽舞団」が華やかな舞踊を披露し、式典は終了しました。
なお、開会式終了後、星雲大師による基調講演が行われ、プログラムがスタートしました。参加者は30日までの5日間、ワークショップや全体会議、本会の法座をモデルにしたサークルグループなどを通して、さまざまな宗教を持つ参加者と交流し、共通の価値観を見い出していきます。また、連日、『佛光山の生活』プログラムとして、写経や瞑想、僧院の清掃活動などを体験します。
(2006.03.31記載)
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