昨年10月に発生したパキスタン地震から半年が過ぎました。立正佼成会も加盟する「特定非営利活動法人ジェン」は、地震発生直後からパキスタン北部のバーグ県で支援活動を続けています。現地の状況とこれまでの活動、今後の計画などを紹介します。
昨年10月8日に発生したマグニチュード(M)7・6の大規模地震により、パキスタン国内で約7万3000人が死亡し、隣国インドでは約1300人が犠牲となりました。家屋の倒壊や負傷などに見舞われた被災者は300万人に上ると報告されています。
ジェンは地震発生翌日からバーグ県にスタッフ5人を派遣、調査を重ねた結果、被害が最も大きく、支援が行き届いていないハベリ地区のサンガル、バダルの両地域を中心に支援活動を開始しました。
高橋美紀・イスラマバード事務所長の報告によると、支援地域は山岳地帯に位置し、冬を迎えると厳しい寒さに見舞われることが予想されたため、緊急支援としてテント2000張以上、「アフリカへ毛布をおくる運動」の緊急備蓄用から「越冬支援」として送られた5000枚を含む約24000枚の毛布を提供しました。併せて食器類や衛生用品などそれぞれ1250セットを配布しました。
また、同県では90%を超える学校で校舎が全壊、半壊の被害を受けました。子供たちの授業が屋外で行われていたことから、今年1月からは、子供たちの教育支援を展開。182校に教室用テント249張を支援し、現在、仮設トイレ、貯水タンクの設置を進めています。小・中学生には、文房具セット1万3800個、防寒用ジャケット1万4000枚を手渡しました。さらに、9月末までには男子校、女子校各一校で耐震構造の校舎を建設します。そのため、現在、区画整備、校舎の設計などを行っています。
今後は地震発生のメカニズムや避難訓練など、災害対策のための教育を実施するほか、ユニセフ(国連児童基金)と合同で保健衛生の指導を行っていく予定です。
高橋事務所長は「復興には長い時間がかかります。また、地震によって心に傷を負った子供もたくさんいます。学校の先生になりたいなどという子供たちの夢がかなえられることを願いつつ、これからも心のケアと教育支援を続けていきたいと思います」と語っています。
(2006.06.09記載)
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