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2006年07月25日 WCRPVIII 大会の詳細を発表

第8回WCRP(世界宗教者平和会議)世界大会の記者会見が7月25日、京都市内のホテルで開かれ、大会の詳細が明らかになりました。会見には庭野日鑛・WCRP日本委員会理事長、杉谷義純・世界大会受入事務局顧問、宮本けいし・世界大会受入事務局長、ウィリアム・ベンドレイ・WCRP国際委員会事務総長らが出席。新聞社、テレビ局など20社から42人が集まりました。第8回世界大会には70の国や地域からの正式代表500人を含む約100カ国から2000人が参加し、WCRP史上最大規模となります。本会からは、庭野会長はじめ5人が正式代表として参加するのをはじめ、オブザーバー、随員、スタッフ、取材関係者、ボランティアなど多数が参加します。

会見では、冒頭、庭野理事長があいさつに立ち、36年ぶりにWCRPの世界大会が京都で開かれることに触れ、「第1回の世界大会では、『宗教者が集まっても世界が動くのか』などという意見を謙虚に受けながら、先達の方々が大会を成功に導きました。各国から参加される皆さんに、その京都での原点を見つめて頂く機会となるのではないかと思います」と述べました。また、「青年世界大会」に向けた事前会議など、青年の活発な取り組みに期待を寄せ、「世界各国からの宗教者と、打ち解けた友人として交流を持っていきたい」とホスト国としての抱負を語りました。
席上、ベンドレイ事務総長は「宗教が過激・狂信主義者、政治指導者、マスコミに"ハイジャック"されている」という刺激の強い表現を用いながら、宗教指導者が過激・狂信主義を拒絶する姿勢を示すこと、紛争地域の宗教者の交渉、各界リーダーとのパートナーシップなど世界大会の課題を抽出。「共有される安全保障」という概念を構築し、諸宗教協力により紛争解決、貧困の克服、環境保全などに取り組んでいくことが重要との見解を示しました。
さらに、ベンドレイ事務総長は、諸宗教評議会(IRC)を有する70カ国を含む世界100カ国からの参加が予定されていると説明。
イランの民主化を図ったハタミ大統領、スリランカ和平に尽力したノルウェーのボンデヴィック前首相ら海外参加者の陣容も公表され、平和に向けて行動する姿勢が強調されました。
なお、7月20日には、広島市役所で「WCRP青年世界大会」の記者会見が行われ、三宅道人同大会実行委員長らが出席。概要などを発表しました。
第8回WCRP世界大会の概要は以下の通りです。

【大会日程、会場】
8月26~29日 国立京都国際会館(京都市左京区)

【大会テーマ】
『平和のために集う諸宗教――あらゆる暴力をのり超え、共にすべてのいのちを守るために』

【主催】
世界宗教者平和会議国際委員会(本部=アメリカ・ニューヨーク)

【協賛】
財団法人日本宗教連盟

【全体会議テーマ】
(1)あらゆる暴力をのり超え、共にすべてのいのちを守るために
(2)共にすべてのいのちを守るための紛争解決
(3)共にすべてのいのちを守るための平和構築
(4)共にすべてのいのちを守るための持続可能な開発
(5)すべてのいのちを守るための行動を起こすために

【研究部会テーマ】
(1)紛争解決
(2)平和構築
(3)持続可能な開発

【プログラム】
8月26日午前の開会式以降、全体会議、研究部会、地域別会合、宗教別会合、紛争当事国代表による非公式な対話会合、正式代表者会議、文化行事などが行われ、29日午後の閉会式で閉幕。

【参加国】
70の国や地域から500人の正式代表が参加。全体としては約100カ国から2000人が参加予定。

【参加宗教】
キリスト教、イスラーム、ユダヤ教、神道、仏教、ヒンドゥー教、ゾロアスター教、ジャイナ教、シーク教、民族宗教など。

【海外からの主な参加者】
ムハンマド・ハタミ・イラン前大統領、クェル・マニェ・ボンデヴィック・ノルウェー前首相、エル・ハッサン・ビン・タラール・ヨルダン王子(WCRP国際委員会実務議長)、アン・ヴェネマン・ユニセフ事務局長=アメリカ、ハンス・キュング・地球倫理財団総裁=ドイツ、ルファ・オマール・コナーレ・マリ元大統領、シュェ・チェン・中国仏教協会副会長ら。

【日本の参加者】
国際委員会指名による特別来賓1人、正式代表18人。このほか、学識経験者、オブザーバー、スタッフ、報道関係者など多数参加。

【本会からの参加者】
正式代表として庭野日鑛会長(国際役員)、松本貢一青年本部長(国際役員)、泉田佳子元布教相談役(国際役員)、庭野光祥次代会長(国際委員会指名による代表)、酒井教雄参務(国際評議員)の5人。このほか、オブザーバー、随員、スタッフ、取材関係者、ボランティアなどが参加。

【大会事後プログラム】
「第8回WCRP世界大会報告平和集会」。8月31日に青森、東京、長崎の3会場で開催。

【青年世界大会】
8月21~25日まで、広島国際会議場、広島平和記念公園、京都国際会館で開催。世界60カ国から300人の正式代表を含む1000人が参加する。青年による世界大会は初の試み。21日のオープニングに続き、全体会議、平和記念公園などでの平和学習会、平和祈念祭、チャリティーコンサートなどが行われ、最終日には会場を京都国際会館に移し、「大会宣言・行動計画」を採択する。平和祈念祭、コンサートには市民も参加できます。世界大会のテーマのもと、青年宗教者の視点から暴力の様相を検証し、宗教協力活動を通じた平和構築活動を報告するほか、紛争地域に対して青年宗教者がどのように取り組むかが議論される。WCRP国際青年委員会は、これまでに世界9カ所で「青年事前会議」を開催。各地域の課題を抽出し、世界大会に向けた事前の討論を重ねてきた。世界大会を通じて、青年宗教者による世界的なネットワークの構築が目指される。

【女性会議】
8月24、25の両日、国立京都国際会館に世界の女性宗教リーダー150人が集い、文化行事、全体会議、ワーキンググループセッションなどを行う。世界大会のテーマのもと、紛争解決、平和構築、持続可能な開発に対する女性宗教者の役割を話し合う。女性宗教者だけでなく、政治、経済、教育、国際協力、マスコミなど各界の女性指導者を交え、議論が展開される。また、女性宗教者のネットワークの構築、強化について討議する。

(2006.08.04記載)