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2006年08月26日 WCRP世界大会:紛争地の宗教者による会合

大会期間中、紛争・緊張状態にある地域の宗教者が、現状を打開し和平に向けた糸口を見いだそうと会合を重ねました。

8月26日午後、政府と少数派タミル人反政府組織「タミル・イーラム開放のトラ(LTTE)」との停戦協定が崩壊しつつあるスリランカの諸宗教代表者が、日本政府スリランカ問題担当特別代表の明石康氏と会談しました。これまで和平プロセスの仲介役を務めてきたノルウェー政府の関係者が同席しました。早期停戦と和平合意を促す会談に、仏教、ヒンドゥー教、イスラーム、キリスト教の指導者ら11人が出席しました。
席上、キリスト教指導者から、停戦合意が遵守されず内紛が再発したのは信頼の欠如が大きな要因であり、「平和を求める声が争いの声に負けている」と現状が報告されました。仏教四法王の一人、アマラプラ派のコツゴダ・ダーマワサ大僧正は、「和解に向け、宗教者が対話をし、民衆の信頼を得ることが大切」と述べました。
また、28日には、『北東アジアにおける平和構築』をテーマに「6カ国宗教者間対話」(仮称)が初めて行われました。これは北朝鮮をめぐる政府レベルの6カ国協議と同じ枠組みで、宗教者による協議の開催を模索してきたもの。北東アジアの包括的な平和構築のプロセスを模索することを目的にしています。今回、北朝鮮の宗教者に入国許可が下りなかったことから、韓国、中国、日本、アメリカ、ロシアの5カ国、29人による開催となりました。
協議では、朝鮮半島両国の宗教者による対話、交流の歴史が紹介されたあと、各国の宗教者が意見を交換しました。韓国・圓仏教のキム・スンゴン師=ACRP(アジア宗教者平和会議)事務総長=は、「人々の心の中にある仏や神を信じることができれば、われわれに希望はある」と述べ、不信を払拭し、相互理解に向けた前向きな姿勢を示しました。
イラクの諸宗教者による会合では、イラク戦争後混乱が続く国内の和平に向け、イスラームのシーア派・スンニ派、キリスト教、クルド人の各代表者が非公式に話し合いを行いました。イラクの諸宗教者はこれまでもWCRPのコーディネートにより国外で会合を重ねてきました。今回も、時には感情をストレートに吐露しながら、胸襟を開いた率直な意見交換を行い、信頼関係を深めました。29日には宗教代表者14人による記者会見が開かれ、サイード・サレ・アルハイダリ・シーア派宗教大臣が、「宗教者同士の真摯な取り組みを通して国内和平を目指す」とする共同声明文を発表しました。
中東地域の会合では、シリア、レバノン、ヨルダンなどの宗教代表者が非公式に対話を重ね、これにイスラエルのユダヤ教指導者が加わる場面もありました。
さらに北部と南部の対立が続くスーダンの宗教者(イスラーム、キリスト教など)も非公式に話し合いを行いました。


(WCRP日本委提供)

(2006.09.08記載)