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2006年08月21日 WCRP青年世界大会『紛争地域からの声"中東"』テーマにオープニングフォーラム

「WCRP(世界宗教者平和会議)青年世界大会」のオープニングフォーラムが8月21日夜、開会式に引き続き広島国際会議場のフェニックスホールで行われました。テーマは『紛争地域からの声"中東"』。青年宗教者ら6人が登壇し、同地域での平和構築に向けた取り組みや提言を発表しました。ヨルダン王立研究所副所長のバッカー・ヒヤリ氏がコーディネーターを務めました。

フォーラムの冒頭、ジアド・ムーサWCRP国際青年委員会(IYC)委員長があいさつ。この中でムーサ委員長は、イスラエル軍とレバノンの武装組織ヒズボラとの軍事衝突など緊張した中東情勢を受けて同青年委員会が『レバノンおよび中東全域を取り巻く暴力の連鎖を止めるための緊急アピール』を公表し、これに併せた呼びかけに応じて、先月末から今月6日までに、世界の青年宗教者から10382通の「いのちの尊厳をまもるためのメッセージ」が寄せられたことを発表しました。舞台のスクリーン上でメッセージが紹介されました。
このあと、中東地域を中心とした参加者6人による発表が行われました。まず、IYCのムニアー・ジア委員が、異なる民族や宗教、言語が共存する中東地域の複雑な社会構造を説明。歴史上長きにわたる民族や宗教間の争いに対する他国の干渉などにより、和平の実現が難しくなっている現状を報告しました。
次いで元イスラエル軍兵士の男性が登壇。パレスチナ人による自爆攻撃で14歳の妹を亡くした体験を発表しました。その上で、悲しみから生じた怒りの感情、安全や自由の獲得を名目にした武力行使では問題解決に至らないとし、「怒りではなく希望を基に互いを尊敬し、(平和のために)対話を重ねていきたい」と話しました。
また、イラクの国会議員は、他者との共通基盤を見いだし、対話を進めていくことが必要と語り、「私たちは、地球上の一つの家族であり、暴力を拒否しなければならない」と強調しました。
さらに、シリアの発表者は、平和構築のプロセスの一つとして教育の重要性を挙げ、過激主義に走らず、共存を説く教育を普及していくことが必要との見解を示しました。

(2006.08.25記載)