中央学術研究所主催による「第7回学術研究大会」が11月5日、行学園およびセレニティホールで行われました。山野井克典理事長はじめ同研究所講師や客員研究員、所員、教団関係者ら140人が参加しました。
第1部は行学園を会場に研究発表が行われました。同研究所員ら10人が『宗教団体の社会的責任と社会貢献』『仏教におけるスピリチュアリティの目覚め――ビハーラの試みに学ぶ』『万国宗教会議(1993年)~第8回世界宗教者平和会議(2006年)までの宗教協力――庭野日敬開祖の貢献』などをテーマに研究成果を発表。また、仏教や宗教学、立正佼成会史など多岐にわたる学術研究が紹介されました。
セレニティホールで行われた第2部では、山崎守一・宝仙学園短期大学学長が『初期仏教研究におけるジャイナ教の位置』と題して研究報告を行いました。
山崎氏は報告の中で、初期仏教と、インドでほぼ同時代に誕生したジャイナ教に言及。二つの宗教に、「人間の価値を決めるのは出生ではなく行為」など共通の教えがあり、類似点が多いことを解説しました。「初期仏教の研究をする時は、周辺にある思想も研究していくことが重要」と述べました。
続いて、島薗進・東京大学大学院教授が『在家主義仏教と菩薩行の理念』と題し特別講演に立ちました。島薗氏は明治以降に生まれた在家主義の法華系仏教教団に触れ、その多くが菩薩行の実践を説いたことを紹介。本会など法華系新宗教の仏教史での意義、さまざまな教団の特徴、理念などを説明しました。また、現代がより個人を重んじる風潮にあり、人間同士の連帯、支え合いが弱まっていると強調。その上で、「互いに慈悲心を持って連帯し合おうとする仏教のあり方が今必要とされているのです」と述べ、在家仏教教団の役割に期待を寄せました。
(2006.11.10記載)
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