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2007年04月20日 「南アジアプログラム」の2007年度の支援先が決定

庭野平和財団が進める「南アジアプログラム」の2007年度のインドとバングラデシュの支援先がこのほど、決定されました。07年度のインドの年間テーマは『都市における貧困』。現地のNGO(非政府機関)3団体と協働でプロジェクトを進めます。バングラデシュでは『貧困削減に向けたアディバシ(先住民の意)の人々の能力開発』を年間テーマに2団体を支援します。1プロジェクトの実施期間は3年が目安で4月からスタート。同プログラムは本会一食平和基金から運営資金を委託されています。

今回決定されたインドの支援先はLKITS(社会変革のための技術研究所)、MSK(「マナブ・セワ」センター)、「ムスカーン」(「スマイル」の意)の3団体。LKITSは、ビハール州マドゥバニにある8地区のスラム住民を支援します。スラム内の最貧困層、また厳しい状況にある女性を中心に自助グループづくりを進め、保健衛生や職業訓練のトレーニングなどを通して生活向上を図ります。
MSKはウッタル・プラデーシュ州ベナレスの10地区のスラムでプロジェクトを実施。住民の多くが自転車の力車の運転手やゴミ収集で生計を立てています。このうち、5地区の住民の中には自身や親世代が隣国のバングラデシュ、ネパールから同地に不法に移住してきた人々が多く、劣悪な状況下で暮らしています。職業訓練、女性の人権啓発を進め、生活改善につなげます。
ムスカーンはマディヤ・プラデーシュ州の州都ボパールの10地区のスラムの最貧困層の子供たちの教育を支援。ゴミ収集などで家計を支えるために働く子供たちが学びやすいよう、独自の手法で読み書きや計算を教え、子供たちに進学の道を開き、心身の成長をサポートします。
一方、バングラデシュの支援対象はBNKS(「ボリパテ・ナリ・コロヨン」協会)、SARA(農村振興社会協会)に決まりました。
同国には47の先住民族が暮らしています。BNKSはチッタゴン丘陵地に住む先住民族「マルマ族」のNGO。自組織の機能強化や運営の充実を図るとともに、村人の家畜飼育、農業トレーニングなどを実施します。
SARAは平地に暮らす先住民族「ハジョン族」の人々を支援。自助グループや住民組織を基盤に、職業訓練や技術習得に力を入れ、収入向上につなげていきます。

(2007.04.20記載)