全国の青少年部員が自らの理想を掲げ、地域社会や世界平和のために具体的な菩薩行を実践する「青年の日2007」が5月20日、全国で開催されました。参加した青少年部員は約2万人。メーンテーマ『大志~社会変革の風をおこそう』のもと、会員や市民ら約5万1000人の協力を得て、環境美化や福祉施設での奉仕、地域イベント、「一食ユニセフ募金」「アフリカへ毛布をおくる運動」など多岐にわたる活動を展開しました。正午には、参加者全員が一斉に「平和の祈り」を捧げました。
「青年の日2007」では、取り組みの柱として「ビジョンを持って、地域社会へメッセージを届けよう~日本常寂光土を目指して」「協力・連帯の輪を地域から世界へ!~世界通一仏土を目指して」が掲げられました。全国の部員たちは、メーンテーマや取り組みの柱に基づいて活動を展開。それぞれが描く未来像や平和へのビジョンを地域社会に発信するとともに、宗教者や市民と手を携えて地域の諸課題に取り組みました。
地域に密着した活動に取り組んだのは松山教会。市内の梅津寺パーク海岸で、初めての清掃奉仕活動を行いました。浜辺に捨てられた空き缶など、45リットルのビニール48袋分のゴミを収集しました。また、鹿沼、館山、津などの各教会も地域の杉並木や海岸沿いを清掃にあたりました。
前橋教会は高崎市の国立重度知的障害者総合施設「のぞみの園」を訪問。施設利用者との散歩を通じて触れ合いを持ったほか、施設周辺や花壇の草取りを行いました。萩教会、佐賀教会も、それぞれ地域の福祉施設を訪問して奉仕活動を行い、利用者と交流しました。
地域住民や諸宗教者との協力・連帯を図る動きは各地で見られました。福島教会は、新宗連(新日本宗教団体連合会)福島県協議会が取り組む「電力ダイエット」や節水などの環境保護運動をPRするため、地域の寺院や町内会の役員宅を訪問。地球温暖化防止の輪を広げようと自分たちの取り組みを紹介したほか、意見交換も行いました。
障害者就労支援施設13団体の通所者を招いて交流を持った富士教会は、道場敷地内で通所者の作った食品や手工芸品を展示。今年で6年目となるイベントに多くの市民が来場しました。
身近なテーマから人権や社会の問題に目を向けた教会もあります。社会における『思いやり』をテーマに学習会を行った調布教会では、部員たちが「あいさつ」「座席を譲る」といった思いやりの実践目標を発表。前日には東村山市の国立ハンセン病資料館を訪れ、差別の歴史やいのちの尊厳について理解を深めました。
街頭での「一食ユニセフ募金」と「アフリカへ毛布をおくる運動」は全国的に定着した取り組みです。市川教会はJR舞浜駅と本八幡駅で募金活動を展開。部員たちは独自の呼びかけ文を読み上げ、市民に協力を訴えました。実行委員の一人は、「単に募金を呼びかけるのではなく、自らの姿を通して平和への思いをたくさんの人に伝えることが大事。私自身が世界に愛を届けようと真剣に思い、『自覚』を持って一つ一つの行いができる青年になるための第一歩だと思います」と話しました。ほかに札幌北、中央、福岡など多くの教会が、繁華街や駅頭で募金活動を行いました。
筑豊教会は稲築役場前広場で「アフリカへ毛布をおくる運動」の収集イベントを実施。会場に設けたステージでは、青年部員が同運動の趣旨を説明したほか、市民有志の楽隊や高校の太鼓部が演奏を披露しました。会場には多くの市民が立ち寄り、イベントを盛り上げました。運営に携わった青年部員は「地域の方々の真心と、アフリカの人々の思いをつなげることができれば、という願いで取り組みました。皆さんの協力や善意があって初めて一つのことができるのだと感じています」と述べました。米沢、長岡、韮崎の各教会でも、青年が地域を巡回して毛布の提供を市民に呼びかけ、収集作業にも当たりました。
時事問題から、今後の国のあり方を探った教会も多くありました。松本教会は同道場で「政治学習会」を開催。『憲法改正について』『本会の政治への取り組みについて』など5つのテーマについて、それぞれ実行委員がインターネットや書籍などを通じて調査を行い、学んだ内容を発表しました。企画に携わった青年部員は「参加した部員から、政治をとても身近に感じたという声が聞かれました。青年が青年に伝えたことが大きかったと思います。今後も継続して政治を学び、意識を高めていきたい」と意気込みを語っていました。また、熊谷教会や高岡教会でも、憲法に関する学習会や政治に関するアンケート発表などが行われました。
(2007.05.25記載)