終戦から62年目を迎えた8月15日、大聖堂はじめ全国各教会で「戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日」式典が行われました。大聖堂での式典には、東京教区の会員ら約2000人が参集。第二次世界大戦をはじめとする戦争や紛争による犠牲者を悼み、現在も世界各地で続く争いの早期終結と恒久平和を祈念しました。
この日、東京では最高気温が35度を超え、猛暑日となりました。式典は、佼成合唱団が『千の風になって』など3曲を披露し、開幕。冒頭、広島で被爆した詩人・峠三吉氏の『ちちをかえせ』の一節で始まる詩が紹介されました。このあと、東京教区西北ブロックの高校生、大学生18人による奉献の儀が行われ、渡邊恭位布教本部長を導師に読経供養。回向文奏上に立った庭野日鑛会長は、一乗の精神を会員自らの願いとし、世界平和に向けて精進することを誓いました。続いて、庭野会長は焼香を行い、折り鶴を奉納しました。
会員代表による体験説法に続き、法話に立った庭野会長は、「仏さまと凡夫である私たちは、仏凡不二といわれるように、根底では一体であります」と述べ、仏教の信仰の核心を説明。「仏さまも私たち一人ひとりも、さらに宇宙全体がすべて仏性ととらえますと、すべてが有り難く尊いものばかりです。あらゆるものを合掌礼拝できる、そのことに気付くことが本当の平和なのです」と平和観を披歴しました。
さらに、「いのちの尊さにお互いが気づいて、人と人とが一つになっていける、そうした心になれば、たちどころに本来は平和の世界が来ているわけです。気づくということが一番大事なことなのです」と話し、平和の実現に向けた日常の修行のあり方を示しました。
当日、会場を訪れた80代の男性は、満州で終戦を迎え、戦後3年間、シベリアで抑留された体験を回顧し、「毎年、この日を迎えるたび、戦争の悲惨さを思い出します。人間は欲深い生き物。一日も早く平和が訪れことを祈っています」と語りました。
(2007.08.24記載)
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