核軍縮の推進や大量破壊兵器廃絶に向けて議論する「第19回国連軍縮会議in札幌」(主催・国連軍縮室、国連アジア太平洋平和軍縮センター)が8月27日から29日まで、札幌市の札幌コンベンションセンターで開催されました。18カ国から政府高官、研究者、NGO(非政府機関)関係者ら約70人が参加、本会から神谷昌道外務部次長が正式代表として出席しました。会議では、核不拡散条約(NPT)の強化や核兵器を使用したテロ行為の防止などに焦点が当てられ、活発に議論が交わされました。
同会議は平成元年から毎年、日本国内で開催され、今回で19回目を数えます。今年は『核兵器及びその他の大量破壊兵器のない世界に向けての新たなビジョンと求められる指導力』をテーマに、4つの全体会議、1つの特別会議が持たれました。
開幕日の27日、開会式に続いて行われた特別会議では、化学兵器の開発や生産、保有を禁じる化学兵器禁止条約(CWC)の発効10周年を踏まえ、『化学兵器によるテロリズム』をテーマに議論が行われました。
神谷次長は28日に実施された「全体会議Ⅳ」で、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)やインド、パキスタンなど核保有国が増加傾向にある現状に言及し、これまで行われてきた核軍縮に関する国際会議を挙げた上で、会議での提言を積極的に提示し、軍縮と核不拡散のあり方を国際社会に示してくべきと述べました。また、国連事務総長の役割に触れ、「核保有国と非保有国の仲介役として核軍縮の促進と核不拡散体制の強化に務める必要がある」と発言し、「3つの国連軍縮地域センター(アフリカ大陸、南米カリブ海、アジア太平洋)の活動を活発にするために、積極的な役割を担うべき」と続けました。さらに神谷次長は、最終日に行われた閉会セッションで、「核兵器の問題は、技術論ではなく、いのちの尊厳の問題です。すべての議論は、そこから始めなくてはならない」と訴えました。
また、今回、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会非武装・和解委員会から黒住宗道・黒住教副教主が正式代表として参加し、『NGOの見解と活動』と題して壇上で基調発題をしました。黒住師は昨夏、京都で開催された第8回WCRP世界大会を含めたこれまでのWCRPの取り組みを紹介し、「宗教指導者は、共にすべてのいのちを守るためのビジョンを分かち合う必要がある」と述べ、今後、宗教指導者だけでなく市民レベルでの平和意識の共有が必要だと強調しました。
(2007.09.07記載)
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年
2007年
2006年
2005年
2004年
2003年
2002年
2001年