開祖記念館の開館1周年を記念する「公開講座」が10月12日、大聖ホールで開催されました。庭野光祥次代会長、山野井克典理事長をはじめ教団役職者ら94人が会場を訪れました。中央学術研究所講師を務める森章司・東洋大学名誉教授が『庭野開祖の教えと仏教学』をテーマに講演を行いました。
開祖記念館は、「開祖生誕100年記念事業」の一つとして昨年6月にオープン。「開祖と出会い、開祖に学び、開祖を伝える記念館」をコンセプトに展示を行っています。これまでに会員や市民、宗教関係者、研究者など約17万人が訪れ、多くの資料、映像、音声、愛用の品々を通じて庭野開祖の遺徳に触れました。当日、あいさつに立った庭野皓司館長は、来館者の様子を振り返りながら「開祖さまの教え、お徳を学ぶ場所として、記念館が開館したのは意義あること」と述べました。続いて森教授が講演を行いました。森教授は、昭和51年から『庭野日敬法話選集』(全7巻・佼成出版社刊)の編纂に携わった経験を踏まえ、庭野開祖の教えや本会の行法観に言及。庭野開祖が「四諦の法門」「八正道」「十二因縁」など原始仏教の教えと『法華経』に代表される大乗仏教の教えを理解した上で、社会で実践できる仏教として世に示したことを高く評価しました。また、久遠実成の本仏の教えとは、過去、現在、未来にわたる諸々の仏によって説かれるものとして、「原始仏教の時代から、仏教徒は釈尊を通じて諸仏の教えに従う、との認識がありました。釈尊の背後に、久遠実成の本仏がいらっしゃる。そのことを庭野開祖は素直に感じ、体得されたのだと思います」と語りました。最後に、庭野開祖がしばしば用いた「あるがまま」という言葉が「諸法実相」を意味し、諸法実相をあるがままに見る「如実知見」こそ、現実社会と向き合い、多くの人に教えを説いた庭野開祖の姿そのものであったと論じました。
(2007.10.19記載)
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