イスラーム世界連盟主催の「国際諸宗教対話会議」が7月16日から18日まで、スペイン・マドリード市内のホテルで開催され、立正佼成会から庭野日鑛会長が出席しました。佳重夫人、国富敬二時務部長が同行しました。各国からイスラーム、ユダヤ教、キリスト教、仏教などの宗教指導者、学者ら200人以上が参加。諸宗教間対話による平和・和解への道筋の重要性を確認し、人類共通の価値観に対する認識を深め合った同会議で、庭野会長は『人間社会における対話の重要性』をテーマにした第2セッションでスピーチを行い、仏教徒の立場からいのちの尊厳、普遍の真理に言及し、平和に向けた宗教者の共通の役割を訴えました。会議はサウジアラビアのアブドッラー国王の後援によるものです。スペイン王室サルスエラ宮殿での開会式にはアブドッラー国王とスペインのカルロス一世国王が臨席しました。
「国際諸宗教対話会議」は、アブドッラー国王の強い指導性を背景に開催されました。サウジアラビアはムスリムの二大聖地であるマッカ(メッカ)とマディーナ(メディナ)を有し、イスラーム諸国の中でも保守的な国として知られ、イスラーム世界で大きな影響力を持っています。今年3月、アブドッラー国王は、文明間対話の促進を目的にイスラーム、ユダヤ教、キリスト教の3宗教によるサミットの開催を提唱。6月には、マッカに全世界のイスラーム指導者600人が集い、イスラーム世界連盟主催(アブドッラー国王後援)による「世界イスラーム対話会議」が開かれ、諸文化、諸宗教との対話を進める「マッカ・アピール」が採択されました。
このアピールを受け、イスラーム世界連盟は、各国の諸宗教者、諸文化の代表に呼びかけて「国際諸宗教対話会議」の開催を決定。同会議は、国際的な諸宗教、諸文化対話におけるイスラーム世界からの歴史的なアプローチとして注目を集め、各国のマスコミにより全世界に報道されました。
主催団体であるイスラーム世界連盟は、1962年に創立されたイスラームの国際組織です。マッカに本部を置き、世界に40以上の支部を持っています。国連経済社会理事会のメンバーであり、協力、共生、対話の精神に基づいて人類の福祉に貢献する活動を展開しています。同連盟のアルトゥルキ事務総長からの招聘(しようへい)を受け、日本からは庭野会長をはじめ島本邦彦・大本本部長、板垣雄三・東京大学名誉教授らが出席しました。
開会式は16日、マドリード郊外にあるスペイン王室のサルスエラ宮殿で行われ、カルロス一世国王、アブドッラー国王、スペインのサパテロ首相が臨席しました。両国王は参加者を握手で昼食会場に迎え入れ、歓迎の意を表しました。
このあと、オーディトリウム・マドリード・ホテルに会場を移し、18日まで、『対話の宗教的・文化的基盤』『人間社会における対話の重要性』『対話の分野における人類共通の価値』『対話の評価と発展』 『対話と共生の文化の推進』をテーマに活発に意見が交換されました。
17日午前の第2セッションでは、庭野会長がスピーチを行いました。庭野会長は、庭野日敬開祖の「一乗の精神」、WCRP(世界宗教者平和会議)の活動などを紹介しながら、諸宗教対話・協力が時代の要請であると言及。法華経の『常不軽菩薩品』の一節に触れ、人々が真に調和するには、いのちを尊重し、愛や慈悲、思いやりの心を培っていくことが不可欠と強調しました。また、宗教の根底には共通の普遍の真理があるとし、宗教者が手を携えて前進していく必要性を訴えました。
会議では最後に「マドリード宣言」が採択され、今後の対話の推進、発展が約されました。
(2008.07.25記載)
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