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2008年10月09日 「第11回日本・中国・韓国仏教友好交流会議韓国大会」開催

日本、中国、韓国の仏教者が集い、世界平和を祈願する「第11回日本・中国・韓国仏教友好交流会議韓国大会」(主管・韓国仏教宗団協議会)が10月9日から11日まで、韓国・済州島の寺院やホテルで開催されました。3カ国の僧侶や信徒、在家仏教徒ら440人が参加しました。立正佼成会から山野井克典顧問、中村憲一郎京都教会長が出席しました。

今大会のテーマは『仏教徒の環境保護のための責任と役割』。9日には、済州市内のホテルで三国交流委員会会議が行われ、各国代表30人が参加しました。会議では今大会の意義と主要日程を確認後、来年に日本で開催される第12回大会の開催と予備会議の日程を協議しました。大会は10月中旬(14日から16日までを予定)、予備会議は4月中旬で合意。今後、詳細を調整していくことになりました。
このあと、夜には今大会に合わせて薬泉寺で催された「第8回全国仏教音楽祭」に参加。韓国の音楽に触れ、友好を深めました。
10日午前には、漢拏山の観音寺で世界平和合同祈願法会を厳修。3000人以上が参集しました。法会の冒頭には済州大仏の開眼供養が営まれ、各国団長を務める小林隆彰・天台宗比叡山延暦寺長臈(日中韓国際仏教交流協議会理事長)、学誠法師(中国佛教協会副会長)、智冠法師(韓国仏教宗団協議会会長)によって大仏開眼の礼仏儀式が執り行われました。
続いて、三国合同の世界平和祈願法要が実施され、国ごとに代表者が平和を祈願しました。日本は天台真盛宗の西村冏紹管長(総本山西教寺貫首)を導師に山野井顧問ら代表が登壇。平和祈願文が奏上され、般若心経を読誦しました。次いで、小林師、学誠法師、智冠法師によって共同発願文が読み上げられました。

午後からは、大会テーマをもとにホテルで国際学術講演会を開催し、韓国、中国、日本の順に代表者による基調演説と主題発表が行われました。韓国は環境問題の重要性に触れ、仏教界の活動として「仏教環境議題21」やキャンペーン「食べ物を残さない運動」などの取り組みを紹介。中国は、環境保護の取り組みを急ぐとともに、その理念が、すべてのいのちを等しく尊ぶ仏教の生命観に基づいて構築されるよう訴えました。日本は、宮林昭彦・浄土宗大本山光明寺法主が基調演説、筒井寛昭・東大寺執事長と山野井顧問が主題発表に立ちました。
この中で、山野井顧問は『仏教徒が環境保全に果たすべき役割』をテーマに発表。環境問題の根本に行き過ぎた「豊かさの追求」や人間以外の生命の軽視があることを指摘しました。
その上で三法印(諸行無常・諸法無我、涅槃寂静)や「草木国土悉皆成仏」の教えから「人間中心主義」を超えた世界観の必要性を強調。「地球環境の保全を考える上で、仏教は、人類の進むべき道をすでに明らかにしております。その道筋を広く世界に伝えていくことが三カ国からここに集った仏教徒の大切な役割でありましょう」と述べました。
さらに、G8北海道洞爺湖サミットに先立ち、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会が主催した「平和のために提言する世界宗教会議」に言及。会議では、環境保護についても盛り込んだ「提言書」がまとめられ、G8首脳に訴えたことを紹介しました。

(2008.10.17記載)