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2008年10月18日 北米国際伝道センターが米・カリフォルニア大でシンポジウム

庭野会長の著書『心田を耕す』(英語版)の発刊を記念し、北米国際伝道センター(RKINA=水谷庄宏センター長)主催によるシンポジウムが10月18日、米・カリフォルニア大学アーバイン校で開催されました。メーンテーマは、『変化する世界に平和と充実を見いだすために』。米国内の会員はじめ同大学の関係者ら107人が参加しました。 

立正佼成会創立70周年に取り組む柱の一つに「世界布教」が掲げられたことを受け、『心田を耕す』の英訳版『Cultivating the Buddhist Heart』が今秋、発刊されました。同書は、英文雑誌「ダーマワールド」(佼成出版社)に平成11年から4年間連載された英訳の『心田を耕す』をまとめたものです。発刊を機にRKINAは、同書に示された仏教、法華経の神髄をより多くの人に伝えたいとシンポジウムを企画しました。
当日は、篠崎友伸学林学長、テネシー大学のミリアム・レバリング教授、サザンメソジスト大学のルベン・アビト教授がパネリストとして出席。シカゴ大学ミードビル・ロンバード神学大学院元学長で本会IBC(国際仏教教会)国際アドバイザーのジーン・リーヴズ博士が進行役を務めました。
各パネリストは、同書の内容を踏まえ、内省の大切さや法華経の平和観に言及したほか、環境破壊や経済格差といった世界の諸問題に触れ、仏教的な解決へのアプローチなどを発表しました。
『現代社会における仏教の平和観、庭野日敬開祖の平和観』をテーマに発表した篠崎学長は、庭野開祖が心血を注いだ宗教協力に焦点をあて発表。法華経の「一乗」の精神や「常不軽菩薩」の姿勢を自らの平和観とし、WCRP(世界宗教者平和会議)などによる宗教協力を通して平和の実現に取り組んだ庭野開祖の姿を紹介しました。
レバリング教授は冒頭、諸行無常について触れ、それは「苦しみを喜びに変えていくこと」を教えていると指摘。また諸法無我の教えから、さまざまな問題に対して、まずは自らよい方向に変化することで物事は好転すると見解を発表。各人が「内省を通し、自己の心の奥にある貪(とん)・瞋(じん)・痴(ち)に気づくことが大切」と話しました。
一方、アビト教授は、軍事的な暴力や貧困、環境破壊などの解決に向け、仏教や各宗派で重んじる実践が有効と強調。「瞑想(めいそう)や座禅、念仏や唱題を通して自らの存在が周囲とつながっていることに気づくことができる。そこから、自分のためではなく、世界全体の幸せを願う菩薩行に通じていく」と述べ、行によって自己を見つめる重要性を語りました。

(2008.10.31記載)