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2009年06月02日 WCRP日本委・非武装・和解委が学習会

WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会非武装・和解委員会の「学習会」が6月2日午後、普門館4階会議室で行われ、同委員会のメンバーら25人が参加しました。松下日肆同委員長(本門法華宗大本山妙蓮寺貫首)のあいさつに続き、広島平和記念館の管理運営などを担う財団法人広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長が講演しました。

外国人として初めて同センターの理事長に就任した同氏は、世界各都市が連帯して核兵器廃絶を目指すことを目的に、被爆地の広島、長崎の両市が中心となって1982年に発足した「平和市長会議」(会長・秋葉忠利広島市長、6月1日現在は世界134カ国・地域の2926都市が加盟)の取り組みを紹介し、NPT体制の現状を説明。核兵器保有を認められた米、英、ロシア、フランス、中国の5カ国が自国の利益を優先するだけで、第6条に定められた「誠実に核軍縮交渉を行う義務」を果たしていないと指摘しました。そのため、非保有国との間に不公平や軍事的緊張が生じ、世界的に核兵器保有の動きが広まりつつあると危惧(きぐ)しました。
さらに、来年5月に行われるNPT再検討会議の決議次第では今後、軍事的均衡を保持しようと、中近東地域で核兵器保有国が増える危険性があると警鐘を鳴らしました。
その上で、「核兵器の痛みを知っている」と唯一の被爆国である日本が世界に向けて核兵器廃絶を訴えていく重要性を強調。2020年までに核兵器廃絶を目指す平和市長会議の「2020ビジョン」やその道筋を示した「ヒロシマ・ナガサキ議定書」の取り組みに言及し、核兵器廃絶に向けて「草の根レベルで核兵器反対のメッセージを社会に発信していくことが一番大事なことです」と訴えました。

(2009.6.12記載)