WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会は6月4日、庭野日鑛理事長名で「2009年5月25日 北朝鮮による核実験に関する世界宗教者平和会議日本委員会声明」を発表し、マスコミ各社に送付しました。
WCRP日本委は、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が2006年10月9日に核実験を実施した際にも、世界の核軍縮の歩みに逆行し、世界平和を脅かすものとの声明を発表しています。
今回の声明ではそうした経緯に触れたあと、この度の核実験が国際法上明確な違反であるのみならず、北東アジアの緊張をさらに高め、世界の核不拡散体制の動きに逆行し、世界の平和と安全に対する脅威を一層深刻化させるものと指摘。加えて、北朝鮮の人々の生活に死活的な困難とさらなる犠牲を強いるものであるとして、深い憂慮の念を示しました。
その上で、以下の4点を表明しました。
1.この度の核実験の実施は、あらゆる暴力をのり超え、共にいのちを守る平和な世界の実現を目指す宗教者の立場から到底容認し得ないものであり、国連はじめ関係諸国は互いに協調を重視しつつ、可及的速やかに適切な措置を講ずること
2.世界の諸国は、この度の北朝鮮の核実験の実施に対し、過剰な反応に走ることなく、冷静に、かつ対話による事態打開のために忍耐強く、さらなる努力を続けること
3.核問題等を議論する北朝鮮の6カ国協議への速やかな復帰、ならびにその協議が成果を生み出し、合意事項が関係各国により確実に実施されること
4.例外なき核兵器の廃絶を実現するため、核保有国が核不拡散条約(NPT)の中で誓約した核兵器の軍縮および廃絶に向けて、さらに一層誠実に取り組み、最終的には世界が非核化されること
声明は最後に、『私たち宗教者は、朝鮮半島の緊張状態が一日も早く解決されることを願い、70カ国を網羅するWCRP国際ネットワークを駆使しつつ、国連諸機関、および平和を希求する世界のNGO団体と協力し、祈りと粘り強い対話を通じて平和解決に努めることを誓い、あわせて私たちの願いを国際世論に強く訴えるものである』と結んでいます。
(2009.6.12記載)
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