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2009年07月04日 佼成カウンセリング研究所が「相談研究会」

佼成カウンセリング研究所が主催する「平成21年次相談研究会」が7月4、5の両日、セレニティホール、第一団参会館など本部諸施設で行われました。全国からカウンセラー有資格者ら268人が参加しました。 

今回のテーマは、『自分を大事にし、人を大事にする』。人間がさまざまな関係の中で存在していることを確認するとともに、カウンセリングと仏教の両方の観点から人間を見ていくという佼成カウンセラーの原点に立ち返ることを目的に実施されました。
4日はセレニティホールで2人の基調講演が行われました。『カウンセリングの背後にあるもの』と題して講演に立った山梨英和大学大学院人間文化研究科教授で同心理臨床センターの五味義夫所長は、現代の青少年の傾向を「非常に子供っぽい」と指摘。平均寿命が延びたことで青年期が長く、また戦中や終戦直後と違い「死」が身近でなくなった分、青春の意味合いが薄れて「大人になりきれない」と説明しました。
その上で、臨床心理士として青少年とかかわった事例を紹介。問題行動を起こす青少年の心の背後には「言い知れない悲しみや怒りが存在している」とし、時には「カウンセラーだからクライアントを助けてあげるという役割意識を捨て、相手から学ぶという意識が大切。それがカウンセリングになることもある」と話しました。
また、「クリニカルサイコロジー(臨床心理学)」に含まれるラテン語の「クリニケ」という言葉は「援助と祈り」という意味を持つと説明。「カウンセリングの基本である受容の背後には祈る姿勢があります。信仰者である皆さんはカウンセラーとして素晴らしい力を秘めているのです」と述べました。
続いて、『人間そのものの存在を拝む』をテーマに沼田雄司教務局長が講演。「自分が尊い仏の子であることを自覚し、自らのいのちを大事にするとともに、他の人のいのちも尊く拝んでいく。そうした信仰という祈りに、カウンセリングの技術を重ね合わせたところに佼成カウンセリングの特色がある」と話しました。
グループ討議のあと、五味所長、沼田局長が再登壇。篠崎安代同研究所所長をコーディネーターに質疑応答が行われ、「分かち合いの場」がもたれました。
翌5日は『私にできること』をテーマに3つの分科会が開かれ、教会や地域での佼成カウンセラーの役割を確認しました。

(2009.7.10記載)