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2009年07月29日 佼成カウンセリング研究所が「公開講座」

佼成カウンセリング研究所が主催する「カウンセリング公開講座2009」のB講座が7月29日、大阪教会で開催され、会員75人が参加しました。

当日は、『バリデーション~認知症高齢者に尊敬と共感をもって関(かか)わるコミュニケーション法~』をテーマに関西福祉科学大学准教授で認定バリデーションプレゼンターの都村尚子氏が講演しました。冒頭、約20年前に特別養護老人ホームで在宅介護の相談員をしていた体験を紹介。当時は認知症ケアに対して「世の中の関心は低く、研究も進んでいなかった」と振り返ったあと、高齢者虐待の問題に触れ、虐待とは「一番身近で一生懸命お世話をしている人が犯してしまう非常に残念な行為」と説明しました。加えて高齢者虐待の被害者の75%が認知症患者と指摘し、「介護者が認知症患者と意思疎通がとれずにイライラがつのり、虐待せざるを得ない状況に至るケースが多い」と話しました。
その上で、バリデーションとは「心を通い合わせるためのコミュニケーション法」であるとともに、「自分の生きてきた意味や存在価値を再確認する方法」と説明。認知症の周辺症状として表れる被害念慮や妄想による言動は「満たされていない欲求や過去の未解決問題をやり切ろうと奮闘している姿」であり、「認知症患者の感情や欲求を表出してもらい、そこに共感していくことがバリデーションにとって大切」と述べました。
午後は、バリデーションの基本的なテクニックの演習が行われ、参加者は「アイコンタクト」や「タッチング」といった技法を学びました。

(2009.8.7記載)