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2009年08月07日 第45回衆議院選挙に向けて

8月30日に行われる第45回衆議院議員総選挙に際し、全国各ブロック、教会では衆院小選挙区に対する取り組み方の検討を進めています。これまで、各教会の推薦委員会で決定し、本部の総務局外務グループに報告された推薦候補者は全国で204人(5日現在)。自民党、民主党、社民党、国民新党、無所属の立候補予定者に及んでいます。また、同総選挙の公示を控え、渡邊恭位理事長が『第45回衆議院議員総選挙にあたって』と題する談話を発表し、立正佼成会の姿勢を示しました。

今回の選挙に際しては、『政治への取り組み』の「活動」にある「よりよい人材を支援する」に沿って、各ブロックや教会が対応を判断することになっています。この判断を受け、支援活動を決定した場合は、各教会に推薦委員会が設置されます。
各教会の推薦委員会ではこれまで、「生命(いのち)の尊厳を守る」「平和主義の推進」「思想・良心・信教の自由を守る」「政教分離の原則を守る」「政治倫理の確立」など本会の基本姿勢に基づき、選挙区ごとに推薦候補者を検討。本部総務局外務グループから立候補予定者の情報提供を受けるとともに、実際に候補者と面談を重ね、綿密な協議を経て推薦候補者を決定しています。
さらに、各教会では、政治意識の高揚を図るとともに、会員が「投票率向上」の取り組みを実施。すべての有権者が主権者としての自覚を深め、自らに与えられた一票を主体的に投じていくよう周囲への呼びかけが続けられています。

第45回衆議院議員総選挙にあたって 立正佼成会理事長 渡邊恭位

7月21日に衆議院が解散されました。これに伴い、第45回衆議院議員総選挙が8月30日に行われます。新聞、テレビなどマスコミは、今回の選挙を「政権交代」の是非を問うものと報じ、公示前から熱を帯びた報道が展開されています。年金や医療、福祉、教育、雇用といった諸課題が山積する中で、国民の関心も近年にない高まりを見せているといわれます。国の行方、国民の将来を左右する重要な機会であることは間違いありません。

政治動向に関心を

政治の役割は、国民生活の安定を図り、希望の持てる社会や国、世界をつくることにあります。政治は国民の暮らしや将来に直接的な影響を及ぼす力を持っており、政治が間違った方向に進めば、私たちのいのちや生活が脅かされることになります。
本会は「人を救い、世を立て直す」ことを創立の精神に、社会の安寧や世界の平和に貢献していくことを目指しており、このことから、政治の動向に関心を持たざるを得ません。これまで本会は、憲法に定められた「政教分離の原則」を守りつつ、宗教団体として立場を踏まえながら政治への取り組みを進めてまいりました。
特に、2005年12月からは「生命(いのち)の尊厳を守る」「平和主義の推進」「思想・良心・信教の自由を守る」「政教分離の原則を守る」「政治倫理の確立」からなる「五項目」を政治課題に掲げ、正しい世論づくりに努めてきました。終戦からこれまでの64年間、戦争のない国として歩んでこられたのは、「戦争放棄」をうたった平和憲法のおかげと大変重く受け止めております。今回の選挙に際しても、こうした基本姿勢を貫いてまいりたいと思います。

主権者の自覚深め

現在、国内では、先に挙げたように、早急に取り組むべき諸課題が山積しています。私たちは、今回の選挙で選ばれる議員にその解決を託していくことになります。自らの利益や特定の組織の利益を優先することなく、国民全体の幸せを考えて行動する人物が望まれます。
さらに、今日では核兵器や地球温暖化、貧富の格差など国家の枠を超えて、人類が協力して克服すべき喫緊(きっきん)の課題が数多くあります。国益だけでなく、地球全体の幸せ、いわば将来を見据えた"地球益"の視座に立つ議員の登場がこれまで以上に求められています。
こうした志を持った議員を国会に送り出すことができるか否かは、とりもなおさず有権者である私たちの意識と行動にかかっています。私たちの選択によって政治が決まるのですから、議員に期待するだけでなく、国民一人ひとりが目覚め、国の主人公だという自覚をもって行動していかなければなりません。周囲の人に、必ず投票に行くよう棄権防止を呼びかけ、意識高揚を図る縁となっていくことも大切です。真の仏教精神や宗教心を持った人が一人でも多く政治の場に生まれることがよりよい国づくりにつながる、そのことを心に据えて取り組むことが肝要です。
私たちは、自らの幸せが他の人の幸せと共にあることを知っています。一人ひとりが主権者として、自分だけの幸せだけを考えるのではなく、自他共に幸せになることを願い、選挙を通して役割を果たしていかなければなりません。特に、日ごろの布教活動を通して、人々の悩み、苦しみ、そして願いを知る私たちは、選挙に際しても「まず人さま」の精神で臨み、お互いさまに貴重な一票を投じて責任を全うしていきたいものであります。

(2009.8.7記載)