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2009年09月21日 カンタベリー大主教ウィリアムズ師とWCRP日本委員会メンバーが会見

英国国教会の最高指導者であるカンタベリー大主教ローワン・ウィリアムズ師とWCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会メンバー4人が9月21日、東京・池袋のホテルで会見しました。英国国教会からティモシー・スティーブンス主教はじめ4人が、日本聖公会から植松誠首座主教(WCRP日本委理事)はじめ4人がそれぞれ同席。WCRP日本委からは理事長の庭野日鑛会長、事務総長の宮本けいし師(妙智會教団理事長)、同委監事の樋口美作師(日本ムスリム協会名誉会長)、同委理事の矢田部正巳師(神社本庁総長)代理として香取大信師(神社本庁広報部国際交流課長)が出席しました。 

ウィリアムズ大主教は、日本聖公会の宣教150周年記念礼拝(9月23日)に出席するため来日。ウィリアムズ大主教の意向を受け、WCRP日本委メンバーとの会見が実現しました。
出席者全員で「平和の祈り」を捧(ささ)げたあと、冒頭あいさつを述べたウィリアムズ大主教は、「WCRPの働きはとても大切です」と諸宗教の対話・協力に理解を示した上で、地球環境問題などに触れ、「人類全体が直面している大きな問題に対し、諸宗教指導者が集まって学び合うことこそ大切です。それぞれの宗教を信じる者が、その信仰から問題解決に向けての希望を語らなければなりません」と話しました。
ウィリアムズ大主教と庭野会長は、ローマ教皇ベネディクト十六世の就任ミサに出席して以来、約4年ぶりの再会です。庭野会長はWCRPが縁となって再会が実現したことに触れ、「お会いできたことに心から感謝いたします」と話しました。
会談は、ウィリアムズ大主教と日本の宗教者がそれぞれ質問し互いに答えるかたちで進みました。環境問題について尋ねられたWCRP日本委の出席者は、各教団での取り組みを紹介。本会からは、同行した川端健之総務局長が、環境ISO14001取得に向けた動向などを説明しました。
宮本事務総長は、昨年WCRP日本委が同国際委と共催した「平和のために提言する世界宗教者会議~G8北海道・洞爺湖サミットに向けて~」に言及。環境問題をはじめとした世界の諸問題に対する提言を各首脳に届けたことを紹介しました。
これを受け、ウィリアムズ大主教は「環境に対する暴力は私たち自身への暴力です。WCRPが人類全体の癒やしのために働いてほしい」と期待を寄せました。
また、信仰離れの進む現代の若者を導く方法について、ウィリアムズ大主教は「信仰する人にとって、自分自身を知ること、自分自身に真実を見ていくことは、実にゆっくりとしたプロセスです。即決、即答を求める社会にあって、それは難しいこと」と述べました。その上で、若者に信仰の心を持ってもらうためには、「教育制度、社会制度全体を見直すことが必要です。私たちが、余裕、静けさという可能性を与えていかなければなりません」と述べました。

(2009.10.02記載)