「全国社会福祉専門担当者大会」(主管・教務局社会貢献グループ)が10月27、28の両日、法輪閣と第二団参会館で行われ、全国から社会福祉専門担当者ら213人が集いました。今年で3回目となる同大会は、「全国各教会の社会福祉専門担当者が一堂に会し、『佼成福祉の基本理念』の理解を深め、具体的な取り組みのあり方を確認するとともに、高齢社会における生涯布教の推進を図る」ことが目的です。参加者は、沼田雄司教務局長の講話や研修、班別法座などに臨んだほか、各教会で実施する福祉活動について意見を交換しました。
プログラムの冒頭、泉雅巳教務局副局長があいさつしたあと、代表2教会の福祉活動が紹介されました。川越教会が年に1回行う「介護者の集い」などについて同教会からの参加者が、練馬教会で実施している高齢会員宅を訪問して交流を図る「友愛訪問」について同教会の参加者がそれぞれ発表を行いました。
続いて、『家庭と社会に「真の豊かさ」をもたらす佼成福祉』と題して、保科和市教務局社会貢献グループ次長による研修が実施されました。保科次長は、年間の自殺者が11年連続で3万人を超えている現状に触れ、特定非営利活動法人「自殺対策支援センターライフリンク」が発表した自殺の実態調査の報告内容をもとにその原因について解説。うつ病や人間関係、生活苦など、自殺は複数の要因が積み重なった苦悩の結果であるとし、「今の社会の貧・病・争の悩みが深刻であることを意味している」と述べました。その上で、社会福祉専門担当者の役割について、「社会福祉の知識と資源を活用し、貧・病・争から人々の救援に真剣に取り組み、仏法による本質的な救済に導くこと」と力説しました。
加えて、現在の状況は戦後の日本が目指してきた「物の豊かさ」から「真の豊かさ」に向けて価値観を問い直す機縁であると語り、「合掌礼拝(らいはい)の心でお互いの違いを尊重し合い、社会福祉の知識とネットワークを活用しながら、家族や地域社会の人々との心のつながりを再生することに『佼成福祉』の大いなる可能性と役割がある」と話しました。
このあと参加者は、グループごとに分かれて各教会で展開している福祉活動について情報交換しました。
翌28日は、参加者の代表が説法を行いました。
次いで、沼田教務局長が講話に立ちました。沼田教務局長は、庭野日鑛会長の著書『心田を耕す』を引用し、「自分の周囲に一人でも不幸な人がいるかぎり、自分の幸福を手放しで喜んでいてはあいすまない」という「至高の願い」を解説。「皆さんは、『至高の願い』を持ち合わせてこの世に生まれ、それゆえに社会福祉専門担当者のお役に就かれたのです」と強調した。その上で、「社会福祉専門担当者を必要としている人々が、私たちの『至高の願い』を引き出してくれる仏さま」であると語り、「堤防の岸に立って人さまが船に乗り流れ行くさまを見ているのではなく、自分も同じ船に乗り、その中で痛みや悲しみ、つらさを共に味わい、ご縁になってくださる方に合掌させて頂きましょう」と話し、支援を求める人々と共に育っていく大切さを示すとともに、参加者のさらなる活躍に期待を寄せました。
参加者の一人は、「社会福祉専門担当者のお役は、私の『至高の願い』であり、仏さまから頂いた大切な役目なのだという自覚に立って、今後も温かい安らぎをお分けできる教会の福祉部を目指していきます」と語りました。
(2009.11.06記載)
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